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Stories of coins and color stones

コインの流通ルートを知る

2018年7月11日

いつも僕は申し上げるようにしているのですが、現物資産で儲けるためには流通構造を知らなくてはなりません。つまりコインはどのようなルートで私たちの手元に流れてくるかという点が重要なわけです。そのような観点で今回はアンティーク・コインの流通構造についてお話しします。

コインの流通ルートを知る

コインは世界中のどこかで常に新たに作られ続けていますが、ここでいうコインというのはそのような現代ものコインではなく、アンティーク・コインです。アンティーク・コインの一般的な流通ルートを以下あげさせていただきますと。

  1. 「収集家やその遺族」⇒「コイン商」⇒「私たち」
  2. 「収集家やその遺族」⇒「オークション」⇒「コイン商」⇒「私たち」
  3. 「収集家やその遺族」⇒「オークション」⇒「私たち」

では私たちがコインを入手する場合、上記1から3のうち、どれが一番有利なのでしょう。コイン商のマージンがのらない方法、すなわち3が有利なのは明らかですが、いったどの程度の差が出てくるのでしょうか。

まず1のケースについて細かく見てみたいと思います。

コイン商のマージン(売買差益)はコイン商ごとマチマチですが、良心的なコイン商でも30%程度は確保するでしょう。新興の煽り系コイン商の場合100%上乗せする場合がありますが、これは論外として無視し、ここでは30%と仮定して話を進めたいと思います。

仮に上記の流れので「収集家やその遺族」があるコインを100円でコイン商に売ったとすればどうでしょう、上記のようにコイン商は30%ほどのマージンを乗せて販売しますので、この場合「私たち」の買値は130円になる計算です。

では2のケースではどうでしょう。

上記と同じく「収集家やその遺族」がオークションに出品したコインが100円で落札されたとします、オークション会社は落札者側から平均15%(注1)の手数料を取りますので、この場合「コイン商」は115円でこのコインを入手することができます。さらにこのコイン商は30%のマージンを乗せて「私たち」にこのコインを売りますので、「私たち」が支払う代金は149.5円(注2)となります。

注1)国内オークションは10%、海外のオークションは20%が標準です

注2)115円×1.3=149.5円

では3の場合はどうでしょう。

さきほどの例と同じく「収集家やその遺族」がオークションに出品したコインが100円で落札されたとします、それを「私たち」が直接落札しますので、「私たち」はオークション会社への手数料15%を合わせても115円でこのコインを手に入れることができるわけです。

上記をまとめますと「私たち」が支払う金額は以下のようになります。

  1. 130円
  2. 149.5円
  3. 115円

このようにいうまでもなく3が有利で、この場合私たちはオークション会社へ支払う落札手数料(国内の場合10%程度、海外の場合20%程度)を負担するだけで、元の持ち主から直接コインを買うことができます。ただしコイン商によっては特殊な仕入れルートを持っているケースもあります、コインの世界は一期一会、素晴らしいコインを見つけた場合、価格は関係ないとお考えの方も大勢いるのも事実です。

出口について考えてみる

では私たちが将来コインを売るとき、つまり出口時点で手にするお金はいくらでしょう。この場合は3のケースと逆、すなわち「私たち」がオークションで直接コインを売るケースのみで考えます。

オークションでの落札価格が100円のままなら、オークションへの出品手数料10%が控除され、結果的に90円が手元に入る勘定です。

これはあくまで購入時点と売却時点を比較して、コインの適正価格が全く動いていない場合です、ご存知のようにコインは長期的に見て相場が上がり続けておりますので、例えば購入時のオークション相場に対し、出口時点の相場が2倍になるという想定は十分成り立つのではないでしょうか。その場合の私たちが手にする正味の利益は以下のように計算できます。

  • 購入時点の総支払額(オークションで直接買った場合)---100円×115%=115円(①)
  • 売却時点の手取り額(オークションで直接売った場合)---200円×90%=180円(②)

従ってこの場合の正味利益は(②-①=65円)で利益率は約57%と計算できます。上記は3の事例をもとに考えた利益率ですが、1や2でも利益は期待できます、ご参考までに1の場合と2の場合における利益率は以下の通りです。

<1のケース>

  • 購入時点の総支払額---100円×130%=130円(①)
  • 売却時点の手取り額---200円×90%=180円(②)
  • 利益率の計算---(②-①)÷130円≒38.5%

<2のケース>

  • 購入時点の総支払額---100円×115%×1.3=149.5円(①)
  • 売却時点の手取り額(オークションで直接売った場合)---200円×90%=180円(②)
  • 利益率の計算---(②-①)÷149.5円≒20.4%

単に儲けだけを考えるなら、上記のように「私たち」はオーションで買うのが正解だと思いますが、さきほども申しましたようにコインの世界は一期一会です。逆に言えばそのような希少性の高いコインと収集家の仲立ちをすることが、今後のコイン商の役割になってくるのかもしれません。