価値あるコインを求めてLooking for valuable coins
僕が好きなコイン
2026年6月30日
世の中にアンティークコインはたくさんありますが、もし「あんたが一番好きなコインは何?」と聞かれたら、僕はプトレマイオス朝エジプトのオクタドラクマを挙げるでしょう。

(プトレマイオス朝エジプト、オクタドラクマ、プトレマイオス3世(BC246-222))
オモテはプトレマイオス朝の三代目にして最盛期の王様、プトレマイオス3世の肖像が、写実的に描かれています。驚くのはその重量で28グラムほどもあります。この時代は金の産出量が少なく、このようなに大きな金貨は異例です。同時代のアレキサンダーのスターテルが古代の大型金貨の代表ですが、スターテルはわずか8グラムほどしかありません。現在の1オンス金貨は約31グラムほどですが、このコインはそれと比べそん色ないサイズです。デカければOKというわけではありませんが、僕などはどうやって、そしてどこからこの金を古代人は持ってきたのか・・・、その点に惹かれます。なんでも古代のエジプトはナイル川の上流付近に金の鉱山を持っていたそうで、そこから船で上流まで運んできたそうです。
分厚く成形されているのもまたこのコインの魅力です、直径は2.5センチほどと一見すると小ぶりですが、当時の製造技術は未発達で、コインはハンマーで一枚一枚たたいて作りました。なので現在のような一律かつ薄手に作ることができず、このような厚手かつ武骨なコインになったというわけです。
私たち現代人からすると、その武骨さや個体差がまた魅力です。
そうやって手間をかけ作られた、遠い遠いエジプトの、古い古い紀元前の、でかいコインが手元にあると考えるだけで、ぼくはいっとき妄想にふけることができます。
いったいこんな高額コインを当時の、あるいは歴代の持ち主たちはどうやって手に入れたのか、そして2300年におよぶ歴史の中で、いったいどんな持ち主たちを経て、こうやって僕の手元までたどり着いたのか・・・、そんな空想の時間は至福の時です。
おそらくこんな時間の過ごし方をするのは僕だけではないと思います、古代コインコレクターは国を問わず同じような感慨をもって、手元にあるこのコインを眺めるのではないでしょうか。
そしてコインの価値は需要と供給によって決まります。もし需要がこのような妄想からくる嗜好に支えられているとするならば、古代コイン、とくにこのコインが高値を付けるのもうなずけます。僕のような歴史好きがいなくならない限り、このコインの価値は今後も下がることはないと思います。
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