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Looking for valuable coins

僕が好きなターレル

2021年1月

ターレルは16世紀あたりから今のドイツ、オーストリア、ハンガリーを中心に発行されてきた大型銀貨の単位です。

ターレルは面白いですよ、初期の大型銀貨は1400年代にすでに現れますが、ターレルが本格的に使われるのは1500年代の後半以降です。とくに1500年代から1600年代のターレルは面白いですよ、重さは28グラムほど、直径が4センチほどもあって立派ですし、図柄もそれぞれ個性的で楽しめます。

(1657年オーストリア、フェルディナンド3世1ターレル)

1ターレルですら重量感は十分ですが、その上に2ターレル、3ターレルと続きます、たしか10ターレルまでありました、僕が見た一番デカいサイズは5ですが、5ターレルですら「なんじゃコレは!」と驚くほどのデカさです。きっと10ターレルなら「はじめ人間ゴン」が使っていた石のおカネみたいな感じじゃないでしょうか。

(1685年ブラウンシュバイクの3ターレル「リュートを弾く少女」)

そんなデカいおカネを当時の人が財布に入れていたはずはなく、大型ターレルは他国との貿易代金の決済用だったそうです。他国への支払いを意識したせいかデザインもまたユニークです、例えばカタツムリに乗った少女がリュート(当時の楽器)を弾いている姿が描かれていたり、領主がさっそうと馬に乗っていたりします(上の写真ご参照、素晴らしい!!)、中には南洋を航海する船が、風の神様に持て遊ばれる絵柄が描かれていたりもします、ターレルはその後1600年代、1700年代、1800年代とデザインを変えてゆきますし、造りも徐々に精巧になってゆきます、1800年代にドイツやオーストリアで造られた2ターレル(下写真ご参照)などは、ちょっと大げさかもしれませんが、コイン文化の最高到達点といっても言い過ぎではありません。

(1850年、ドイツ・ブラウンシュバイク発行2ターレル)

ただしこのターレル、とても安値に放置されているといってよいでしょう。

もちろん状態の良いコインや希少な銘柄で100万円以上の値が付くものもありますが、僕はもっと評価されていいと思います、過去を振り返りますと今から20年ほど前、2000年あたりの相場は今とほとんど差がありません、この20年というものイギリスの大型金貨や銀貨など、あるいはダカットと呼ばれる金貨などは、驚くほど値上がりしています。にもかかわらずその間、多くのターレルは鳴かず飛ばずでした、僕のようなターレル好きから見れば、こんな安くていいの?とうれしい限りではありますが・・・、たしかに収集家とそしてはうれしいのですが、もう一人の僕が言います「今のうちに仕込んでおけよ」。

もちろん仕込むのは状態のイイヤツ、希少性の高いヤツ、デザインがおもしろいヤツです。高額面のターレルもいいでしょう。

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